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Let's go! Saturn tour

リアンと黄色い猫「土星ツアーに出かけよう!」

 エイリアンの主人公「リアン」は、宇宙が大好きでした。宇宙をもっと知りたい、どんな生命体がいるのだろう、お友達はできるかな、そんなワクワクした思いで冒険の旅にでます。

でもどの星を訪ねてもみんなに恐れられ、怖がられ、バカにされました。リアンはみんなと違う姿の自分のことが大嫌いになりました。彼の心は氷のように冷たく、岩のように固くなってしまいました。もう心なんていらない、そう思ったリアンは自分の心を宇宙のどこかに捨てて、悲しみも苦しみも、そして喜びも幸せも感じないからっぽの旅を続けます。

こうしてたった一人で何万光年を旅をしてきた孤独なリアンは疲れ果て、もう旅を終わりにしようと思います。

最後に彼は、太陽系の中で美しいリングを持つといわれる星を見てこの旅を終えようと、土星に立ち寄ります。そこで彼は自分を見ても怯えず、自分を見つめる「黄色い猫」に出会います。

その黄色い猫を胸に抱きあげた瞬間、どこかの星に捨ててしまった「心」が体の中に戻り、温かく、そしてマシュマロのように柔らかくなっていくのを感じました。

黄色い猫は、リアンの腕の中でただじっと、でも真っすぐにリアンを見つめていました。何も言わなくても、真っすぐに自分を見てくれるだけでリアンは幸せでした。今まで誰も、彼の姿のずっと奥にある優しさや、たくさん流した涙を見ませんでした。そして黄色い猫も、自分を大事に包み込む今は温かいエイリアンの腕の中で幸せを感じていました。

エイリアンのリアンはタカラモノの黄色い猫と、あきらめかけていた旅にもう一度出かけてみようと思います。安住の地が見つかっても、見つからなくても、黄色い猫と一緒ならもうそれだけで十分幸せなのです。

彼らは美しい土星に乗って、いろいろな感情を体験する「土星ツアー」に、出発します。

​リアンと黄色い猫「土星ツアーにでかけよう!」について

この「Let’s Go!サターンツアー」の作品は、宇宙人やロボット、日常の風景や自然などを、どこにでもあるボールペンやサインペンで、ユラユラとした自由な線で描いてあります。

幼い時、何も考えず、ただ絵や詩を描くことが楽しくて仕方なかったころの気持ちに戻って、ワクワクしながら描いたものです。

作品に添えた短い言葉は、わたしが誰かに言って欲しかった言葉、わたしが誰かにそっと伝えたい言葉、そして自分自身を励ますような言葉です。

赤い糸を信じたり、ただ涙を流したり、何かのために誰かのために愛を捧げたり・・・、感情を素直に表わすことは少し恥ずかしいことですが、時には自分の心と素直に向き合って欲しいという思いで書きました。

この詩画集は手作りのものですが、いつの日か出版され、たくさんの方に読んでいただけたらと願っています。

わたし自身の「冷たい心」が溶けていったように、誰か一人でも穏やかで素直な「温かい心」がよみがえりますように。

​Sho.art 

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