雨の日の午後、少し暗くなりかける夕方に入るお風呂は、心をとても休めてくれます。
明かりをつけず、雨の音だけを聞いていると、車の音、話し声などすべての音はかき消され、壁や天井は消えてゆき、雨の中で雨に打たれているような感覚がします。ざわめく心や、ふるえる心、高揚する心も、しばらくするとわたしと一緒にじっと雨音に耳を傾けているのがわかります。
ただ休みたかった、と心はわたしに言います。そうね、とわたしは答えます。
心はたえずわたしに問いかけます。変えることのできない過去や、まだ来ぬ未来のことに答えを見つけられないわたしを揺さぶります。そして、わたしもまた心に問いかけ、見えない答えを必死に探そうと心は激しく波打ちます。
雨のお風呂で、心とわたしはじっと雨音だけを聞いています。
ただ休みたかった、と心はわたしに言います。そうね、とわたしは答えました
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